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「もう嫌だ。
あのオヤジの顔を見るのも嫌だ。 ずぅーと向こうからいつもチラチラ見ている。 あぁーやだやだ。」 大町駅で電車に乗り込む勇太には、あのオヤジの顔を 見るのが朝、苦痛でならなかった。 いつもチラチラこちらを見ているのだ。 実はこのチラチラ見ている勇太がうっとうしいと 思っているこのオヤジこそ、なにを隠そう実の父親。 源太であった。 源太は優太に悟られないようにと 密かに朝大町駅のホームで、彼を見るのが楽しみであったのだが、 優太に、最近気がつかれてしまった。 源太がそう思っていると、優太の方からこっちへ歩いて来るではないか やばぁ!!!。 さすがに源太も反対の方を何気なく見るのだが 心臓はドキドキして今にも爆発しそうだ。 「おじさん、僕に何か用?? いつもこっち見てるでしょ」 優太の生の声を聞くことが出来うれしい反面 うろたえる源太であった。 ![]()
源太は恐る恐る内緒でお父さんの携帯電話をかけてみた。
お母さんが出てくれることを期待しながら。 でも、ホントにお母さんが電話に出てきたら、 どうしようと思っていた。 呼び出し音が 1回 2回 3回 まだ出てこない。 4回 5回 出てこない。 6回目が鳴ったかと思った途端 携帯電話の向こうから聞き覚えのある声がした。 「もしもし、末田ですけど。もしもし?」 お母さんの声だ。 途端にうれしくなって涙があふれ出してきた。 でも、声を出そうにもなぜか声にならない。 「もしもし?もしもし?」 智子は電話の向こうからのすすり泣く声がわかった。 源太だ! 「源太なの?そうでしょ。源太でしょ」 「おかあさぁ~ん」 源太は2年ぶりに聞く生みの母親の声を聞き、 うれしさのあまり涙で声にならなかった。 いままで、新しいお母さんに父親が遠慮して智子へ逢うのを 許さなかったからだ。 源太は一番最後に、智子と一緒に入った可部線緑井駅のそばにある フジグランで食べたハンバーグをすぐに思い出し、その後別れる際泣きながら見送った JR緑井駅の改札での智子の後ろ姿を思い浮かべていた。 源太は1年間の寂しさをいっぺんに 携帯電話にぶつけていた。 auで逢えた。源太にとって、ほんのひと時の大切な時間だった。 ![]()
ぴたぴた 歩け 歩け
ぴたぴた 歩け 歩け 腕をふりふり 急げ 急げ 前 後ろ おいっちに 前 後ろ おいっちに 前からの風が 気持ちいいぞ もっと進め もっと進め 前 後ろ おいっちに 前 後ろ おいっちに ちょっとだけ 後ろが気になった。 でも、前を向いて おいっちに あ る け
広島駅に着いた。
まだこの時間だと間に合うかもしれない。 でも、足取りがとても重くて気持ちが乗らない。 仕方ないのでとりあえず携帯電話をしてみる。 「今着いた。・・・・・・」 「・・・・・」 「あぁ、今からそちらに行こうと思う。 えっ!もう居ない?」 「どうして?今日行くって言ってたじゃないか。」 どうやら、俺のことなどすっかり忘れて、買い物に出てしまったらしい。 なんてこった、彼女の心の中に、俺はもう住みついていないのか。 「どうしても時間取れない? だめ?って!」 「おいおい、どうしたら会えるんだ。」 今更言っても仕方がないが、原因はこちらにあることは分かってた。 でも、お互いに話し合わなければその先はない。 「ぶらぶらと本通りを歩くしかないか」 どこかで気持ちを落ち着けるためにも カフェにでも行くこととし、とりあえず広電の路面電車に乗った。 電車に乗ると、向かいの座席には肩を寄り添う二人連れ。 なぜか恨めしいやら、情けないやらで、 気持ちが暗闇へと、引きずられるようで仕方がなかった。
歩いているといつも見られてる気がしてならない。 ホテルに入ろうとすると、誰かがドアを少しだけ開けて こちらを見ているような気がする。 トイレに入れば隣から見られている気がする。 天井にはいつの間にか穴が開いており 寝ている姿を見ているような感じがする。 だが、不思議なことに街に出かけるとそんな気が全くしなくなる。 もしかしたら、僕って他の人達からすると、 ただの風景?のひとつ? やっぱり。 広島ブログ
大きく見える
小さく見える 星が見える。 どんなに見える こんなに見える。 まぁ、いいか 星の向こうに見えるもの 見てみたい。 # by star0aqua | 2006-06-26 23:03
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